白馬大雪渓往復~暑いのと涼しいのと

縦走・ピークハント
標高1,640mあたりで大雪渓の末端に到着。涼しい風が吹き下ろしてきます。

2025年7月29日(火)~30日(水) yoyu(単独)

北岳チームの六甲山トレに参加させてもらって自分も夏山どこかやっときたいと思い、涼しさを期待して白馬大雪渓を選択。 テント泊は2023年の北鎌尾根以来、二年ぶりです。

昨年は6月時点で既に大雪渓が痩せて歩くのは危険ということでルート閉鎖(アナウンスが6月だったかも)されてしまいましたが、24-25の冬の大量降雪で少し回復した様で今年は今のところ大丈夫です。 でも来年以降は夏山としては大雪渓が登れなくなる可能性もあり心配です。

当日の朝、八方尾根の第五駐車場からの白馬三山。 白馬岳は手前のガスで隠れてます。

山麓から猿倉へのアプローチはちょっと不便で、猿倉の一般車駐車場は春の雪解け時に地面のひび割れが見つかり閉鎖中。 一日三便のバス(要予約)かタクシーで猿倉荘まで入れますが、一般車は送迎等のみの目的で猿倉荘のだいぶ手前(白馬館ヘリポート? そんなのあった?)まで入って引き返すなら進入は可能です。 とりあえず八方7:25発-猿倉荘7:47着のバスで入山。 出発点の猿倉の標高は 1,242m、白馬岳は 2,932mなので約1,700mの登り。

ついでながら、白馬岳(しろうまだけ)の名称の由来は山腹に現れる雪形の代掻き馬(しろかきうま)→代馬(しろうま)→あて字で白馬という説があります。 実際の雪形の代掻き馬は雪が解けた黒い形なので”黒馬”であり、”白馬”があて字だというのは納得です。 また、「はくば」なのか「しろうま」なのか論争(?)もありますが、地元民は気にしてない感じです。

さてバスを降りて猿倉荘を出発。 出だしだけ木陰を歩きますが、標高1,640mあたりの大雪渓末端までほとんど日向を歩かされて暑くて汗だく。 しかも風がほとんどありません。 水は3Lのハイドレーションですが、「上まで持つかな?」と心配になりました。

長走沢出会い付近。 日向ばかり歩かされて暑い!

白馬尻に着いても暑い! ホンマにお疲れさんやわと呟く。

「雪はまだかー」と思いながら更に進むと急に目の前が開けて涼しい風が勢いよく吹き下ろしてきました。 ほかの皆さんも救われた顔。 水の心配も和らぎました。

標高1,640mあたりで突然涼しい風が吹き下ろしてくる

ここでアイゼンを装着する人が多いですが、自分は登りは要らんやろと判断してザックにしまったままにしました。(下山時は装着しました) 皆さんの足元を見るとアイゼンの種類は様々でチェーンアイゼンが一番多く、それ以外に簡易アイゼンも 10~12本爪アイゼンも。 自分の持参はバックカントリースキーで使っている Amazonで四千円台で買ったアルミアイゼンです。(安価ですが軽量で厳冬期の使用もOKでお勧めです。 ただしカリカリに凍った爪もほぼ刺さらないくらい硬いコンディションだと鉄の方が良いですが。)

ガスって日射が無いと寒いくらい。 半指の手袋で指先が冷たい。

標高2,050m付近で一旦雪渓から出るが、雪渓歩きはさらに続く

ここから雪渓歩きが標高2,200m以上まで続きますが、この辺りは両岸からラクが多発している様で、この日もかなりデカいヤツが左岸から勢いよく迫ってきて緊張しました。(幸い誰も被害無し)

ラク多発地帯。 一度大きいのが迫ってきて皆さん「ラクー!」と叫ぶ事態がありました。

岩室の手前で雪渓から夏道に乗り上げて、ここからはガレた夏道をひたすら登りますが、一か所だけ急な雪渓のトラバースがあります。 しっかりステップが切られてるので難しくはないものの、途中にポッカリ穴が開いてて落ちるとヤバい箇所があり、慎重に渡りました。

トラバースはしっかりステップが切られていて歩き易いですが、途中に穴が開いてて緊張

ガレたりザレたりの夏道を登り続け、標高2,400m付近の避難小屋も過ぎて、本日の宿泊地の村営頂上宿舎が見えると「まだ長いハズ。」と思いつつも嬉しい。 止まれば涼しいのですが、登ってると暑い。

村営頂上宿舎が見えた!と喜ぶもここから長い

様々な花が咲き乱れていてこの辺りは「お花畑」と呼ばれているらしい。 大パーティを率いるガイドさん(?)が「いま一番良い季節。 コレが〇〇でアレが〇〇」って説明してるけど、当方もともと興味無し。 それより早く登ってしまいたいので抜かせてもらいます。

頂上宿舎横の岩峰の崩落がすごい。

頂上宿舎に到着してテン場受付(宿泊とは別で宿舎の裏に受付があります)でチェックイン。 テン場も予約制で¥3,000-(一人一張)  ただし、料金にトイレの利用や自由に補給できる飲料水も含まれていて高いとは思いません。 テン場の地面もとても平で、トイレも近く快適ですが、難を言えばトイレはかなり臭くてテン場にも臭いが流れてきます。 近くはなるべく避けたい。

BDのシングルウォール、4シーズン用テントです

自分のはブラックダイヤモンドのファーストライトというシングルウォールのテントで、2012年に米国のサイトで299US$で購入(当時80円前後/US$でした)したものです。 当時はシングルウォールの4シーズン用がほとんど無かった様な記憶がありますが、今はモンベルなどいろいろなメーカーから選べる様です。 シングルウォールは結露や雨天時の染み出しなどの点で不利だと思いますが、フライシートが無い分設営や撤収の手間、更に帰宅後の手入れが楽なので気に入ってます。

テント設営後に主稜線に出て白馬山荘経由で白馬岳山頂へ。

白馬山荘。 以前GWの小屋開け直後、スキーで登って宿泊した時の冷え切った布団の冷たさが忘れられない

山頂はタイミング悪くガスで眺望無し。 キタダケです。 頂上宿舎に戻ってテラスでまったりすることにします。

テン場は電波無しだが、宿舎のテラスはアンテナ1~2本。 気持ちいい時間。

星空も期待してたけど湿度が高く寝たころはあまり見えず。 深夜に起きたらたくさんの星が見えて久しぶりに天の川や流れ星を観察しました。

翌日は下山するのみ。 天気は快晴で日射が強そう。

だいぶ下りてきて振り返る。 日射が強くても風は涼しかった。これから登る方、お気を付けて。

雪渓の末端でアイゼンを外し、ここから猿倉まで暑いので休憩して身体を涼しい風で冷やしておく。 猿倉までやっぱり暑かった。 道端の邪魔にならない岩陰にデポしておいた自転車で八方へ下山しました。

(完)

(追記)テン場でスーパードライのロング缶購入。 1000円。 ふと、yukkiの薬師岳の記事を思い出して缶の底面をチェックすると25年7月製造。 セコいことで yukkiに勝った気になってしまった。

 

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