日時:2019年4月28日(日)~29日(月)
参加・記録:yoyu (単独)
場所:栂池、小蓮華岳、白馬岳、白馬鑓ヶ岳、小日向山(長野県)
4月27日(土)~28(日)の計画でしたが 27日は前夜から続く小雨が昼前から雪になる悪天候で、日程を一日遅らせて日月に変更。 更に大雪渓は降雪直後の雪崩が心配で、白馬山荘の facebookでは前々日から既に雪崩が多く観察されて 26日は真冬に戻った危険な状況という記事があり、不便だけど栂池から登ることにしました。 猿倉の駐車場に自転車をデポしに来たら GW初日なのにガラガラ。 後で知りましたが、この日は 4人の方が遭難死されたらしい。 ご冥福をお祈りいたします。
27日(土)の夜になって降雪は止み、きれいな星空に。 28日(日)朝も快晴でしたが、すぐに高層雲に覆われてしまいました。 ただ、終日雲は薄くて日射はありました。 先週通過したばかりの栂池自然園から船越の頭へのルートをまた登るものの、約800mの標高差はやっぱりしんどい。先週も来たから余計に。。
先週固く締まってた稜線はアイゼンで歩いてみるつもりでしたが、新雪が積もって所々ズボズボ沈むためすぐにシール+クトーに変更。小蓮華岳まではそのままで行けました。小蓮華岳に到着すると先行した朝日岳方面への登山者 4人パーティとスプリットボーダーの 2人パーティが休憩中で、「富士山も槍も見えますよ。」と言われて視界バツグンなのに気づく。 後立山には何回も登ったけど、富山湾の海がはっきり見えたのは初めて。
お二人のスプリットボーダーは白馬沢右股を滑る計画だったらしいですが、「状態が悪そうなので。」と潔く引き返していかれました。見習わねば。このナイスガイなお二人とは翌日に鑓の頂上近くで偶然に再開。 猿倉 1,230mから鑓 2,903mまで標高差1,700m近く、途中小日向のコルで約200mの標高差ロスがあるので 1,900mをまた翌日に登るとは男前。 自分も鑓沢を登ったことはあるけど大雪渓を登るよりしんどい。
さて、小蓮華岳から三国境までは先週と違って、積雪が少なくなって地面が露出している個所が多く、スキーを担ぎました。 三国境からは先は斜度のある固い雪面でアイゼン必須だが快適。 白馬岳に近づくと主稜を登る人達が見えましたが、今年の白馬岳主稜は去年よりしっかり雪が付いている様子。
栂池ロープウェイの標高は約1,820mあるので、白馬岳 2,932mまでの単純標高差は 1,100強しかないけど十分疲れました。 病気のせいかしらんけど体力つかんなぁ。
予約してた白馬山荘にチェックインし、おいしい食事をいただいて就寝。 二日目の朝もやはり薄雲があるものの好天。 斜面は固そうに見えたので太陽が少し高くなるのを待って 7:00に出発。 山荘前は地面が出ているので少し降りてからスキーを装着して初めての清水谷へ滑走開始。 清水谷は杓子岳と白馬鑓ヶ岳から右股が流れており、旭岳と白馬岳の間から流れるのは左股、その左股を二股まで滑り降ります。
滑走し始めるとターンがしずらい。 固いクラストで、荷重を掛けた板が少しだけクラストを壊して雪面にめり込むのでずれにくい。 まあ、山スキーの目的は山に入ってスキーも楽しむのが目的で、スキーの快感だけを求めている訳ではない、良ければラッキーです。
標高2,280mほどの二股まで標高差600m弱を滑り降りて、対岸の白馬鑓への尾根の先端に渡りますが、この時点で二股の積雪は十分で谷は割れておらず一安心。
ここで写真の左に行く記録が多いけど、右から取り付くことにする。 念のため谷芯の通過はスキーでさっと滑り渡り、斜面のなるべく脇でシール装着。 尾根には難なく上がれました。
この日は先行者も後続もおらず、もちろん登山者も来ないルートなので全くの一人旅。 白馬鑓ヶ岳への登りは下部は快適で、静かに素晴らしい景色を楽しみました。 ただ、上部に上がるほどテカったアイシーな部分が増えてクトーも食い込まず苦労することに。
なるべく最後までシール登りたかったけど 2,700mくらいからスキーを担ぐ。 上部の登りで体力を消耗して景色を楽しむ余裕が無くなり、鑓の山頂へ近づいても山頂へは行かずにトラバース、途中から鑓沢へドロップすることにしましたが、これが失敗。 鑓の山頂からの斜面はキレイな斜度で続いてますが、途中から入ると合流するまでまずは急な斜面。 凍った雪面に新雪がへばりついている状態で、最初は「パウダーっ!」と喜んだものの、すぐガリッときて表層ごと流されそうになりヒヤッとする。
頂上からの斜面に合流してからは斜度も落ち着き、新雪の深さも十分で、重いが十分パウダーと言える状態。 富山県側は寒くて雪面もアイシーだったんですが、長野県側の鑓沢は無風で暑く、エライ違いでした。 ラッキーなことに好天の二日目なのにトラックは少なく、中間部までトラックの無いところをハントしながら楽しみました。 鑓沢は下部までデブリは無く、こんなにきれいな状態なのは見たことがありません。
屈曲点を過ぎて鑓温泉に近づくと足に来る重さになり、更に下ると雪面は汚れた古雪の部分と白い新雪部分が交互に表れており、白い新雪部分はとんでもないストップスノーに。 汚れたところから白いところに突っ込むとつんのめる修行系の滑りになり、楽しさが無くなりました。
それでも上部で楽しんだから OKで、小日向のコルへシールを装着して 200mほど登り、猿倉へそれなりに滑り、終了。 デポしておいた自転車で八方まで行き、バスで栂池まで行って車を回収。 なかなかしんどかったけど、これで GWは充実感で気持ちよくダラけられるってもんです。 今年は今まで行ったことが無かった白馬沢右股と清水谷を滑ることが出来てとても良いスキーシーズンとなりました。 これで一区切りです。 (完)