川浦渓谷・海ノ溝洞~圧倒的なゴルジュの美~The Days

沢登り
二日目、川浦渓谷の洞に登って飛び込みで遊ぶ

8月5日(土)に海ノ溝洞、6日(日)に川浦渓谷 メンバー: hassy(L), yassun(SL), dai, kamaco, yoyu(記録)

岐阜県は長良川水系、板取川の川浦谷は「関西沢登り100」に奥美濃を代表する谷と紹介されており、「洞」名が付けられたゴルジャーを惹きつける谷を多く持つが、中でも海ノ溝洞は全国的にゴルジャーに有名の様です。 両岸が切り立った深い廊下が延々と続き、その内部から見る景観は妖しく神秘的で、沢登りをたしなむ我々にとっても非日常に特別美しい。(と思いました) また、普段2級上までの沢登りを楽しんできた我々にとって、ここの3級というグレードは初めてで「どんなだろう?」という探検的な期待感を搔き立てます。

実は昨年も武庫労山のチームが雨天の中入渓したものの、水量が多かったために滝下の水流に跳ね返されて最初の滝にも到達できず敗退。(小滝でも両岸は切り立って巻けない滝がほとんど。 泳ぎで突破しなければならないので水量が多いと無理) 今回hassy, yassun, daiちゃん, kamacoはリベンジの再トライとなります。

初奥美濃沢登りは、海の溝洞(うのみぞほら)と本流 1日目 – 武庫勤労者山岳会 (mukorousan.sakura.ne.jp) (動画もアリ) ←これ見ると川は水量が多くて白濁しており、改めて見て「そら無理やろ。」と思う。 その時二日間寒さに晒されて苦しんだ為に沢引退した(?)komeちゃんと、怖がりの jun2は不参加です。(仕事で不参加だった?)

海ノ溝洞にかかる橋の近くから7~8mの懸垂で入渓

kamacoが「去年と全然違う!」と白濁していない川の流れを見て叫ぶ。 駐車場で支度している時は結構しっかり雨が降ってましたが、過去数日間が好天続きだったことが大きかった様です。 泳ぎのアプローチと滝を越えるのに力を使う時も時々ありましたが、hassyとyassunの先導で順調に遡行。

水量が少なくて穏やかですが、それでも泳いで滝を超えるのはしんどい

いやー、楽しい

ゴルジュの美しい風景を楽しみながらいくつか小滝を超えると目の前に「美しい大釜の5m滝」が出現。 hassyが左岸側をフリーで登り、後続が落ち口を右岸にトラバースする時の為に「カムがあった方が良い」とのことで、カムを持ってたyassunも登ってフィックスロープを構築。 しかし大ちゃんはあまりロープに頼りたくなかったのか、ほぼ自力で登りしかし落ち口のトラバースでラバーソールが滑って落下。 すぐ浮いてきたので問題無かったけど、それを見て自分は速攻自力はやめてロープ頼りに。

美しい5m滝、昨年の写真と比べると圧倒的に穏やか。 滝の上に先行パーティ3名の方々。

この後1mCS滝を越えると少し開けて、その先にラスボスの「この谷最大の難関」灰色CS滝が現れますが先行パーティが苦労している最中で時間がかかりそうなため、手前の少し開けた川原で昼食にする。 後ろには岡山から来られたらしいソロの方。 空身で登ってからフローティングロープでザック引き上げという手順にされてました。 「途中登れなければ引き返します。」とのことでしたが、3級の沢にソロでとは感心します。

箸を忘れた大ちゃん、落ちてた小枝でカップ麺。 小枝はゴミとしてちゃんと持ち帰ったそうです。

yassunがミニカエル発見

帰宅してから調べると、どうもヒキガエルの「幼体」らしい。 この小さいのがあのデップリ太ったヒキガエルに成長するとは。。

ラスボスの「灰色CS滝」、これを越えれば難関は無くなるハズ

昼食後も先行パーティの様子をうかがってたが、3名全員CSの上に到達して「登ってください」みたいな合図をされたので、まずは yassunが「フリーでやってみたい。」とのことで先行。 灰色CSの向かって右の隙間を攀じようとしますが、下方向だけでなく手前にもフレアした隙間なので、上奥に片手を入れてキメても体が入ってしまい反対側の手を入れるための体の回転ができないみたい。 足も無いため、2トライで断念。

次にhassyがカムとアブミを持ってエイドでトライ。 大きくて重いために持っていくのを躊躇した#5のキャメロットが良く効いてなんとか最初のトライで上まで登り、後続のためにロープとアブミ、スリングを設置してくれました。 #5のカムは海ノ溝洞スペシャルな道具となりそうです。

しかし灰色CSの上の限られたスペースにまだ先行パーティがいて、滝上への左岸トラバースに苦労してます。 3人が抜けるのを更に待ち(hassyは3人目の方が離陸できないのでショルダーを貸したらしい)、アブミとスリングに頼って順調に5人全員がギリギリのスペースながら灰色CS上に到着。

先行パーティが苦労していた左岸トラバースはたしかに極悪で、出だしは外傾して滑るホールドに手足を置かざるを得ず、プロテクションも取れず、落ちると岩の隙間経由でどうなるか読めず、安全なランディング不可。 yassunがyoyuとhassyのショルダーを使って取り付き、上部とトラバースルートにハーケンでプロテクションをとってフィックスロープを設置してくれ、抜けられました。

後で検索してみると、「昔はこれ程悪くなかった。 灰色CSがずり落ちて上部の良いホールドまで落差が出来たのかも?」と書いてる記録がありました。 また、左岸トラバースを諦めて灰色CSを上流側にいったん下り、滝の水流に沿って右側を登ったという記録もあったので、水量が少ない時限定ですが試せそうです。 後続のソロの方は灰色CSの向かって左下の開口部に泳ぎ入ろうとされてましたが、どうしても水流に負けて開口部をくぐれず、どうも敗退された様子でした。

このラスボスを越えれば難しい箇所は無くなり、ゴルジュの景色を楽しみながらの歩きとなります。 写真ではわからない自然の造形がいちいち美しい。

ゴルジュの中はたくさんの枝谷からいろいろなパターンで水が降り注ぎ、いちいち美しい

終盤に現れる「ゴリラ岩」(だと思う)

ゴルジュが終わり、たぶん林道の492mポイントの手前あたりで登れそうな斜面があり、林道に登って遡行終了。 難関を突破した充実感の余韻と、圧倒的なゴルジュの美しさが頭に残って、満足感いっぱいで下山。 ゴルジュを楽しめる水量と天気に恵まれて、The Dayな日でした。

この日の宿は「山の宿 ひおき」さんです。昨年昨年アユの御造りなどが楽しめた千家さんは満室で予約できず、hassyは「大ちゃんがまたアユ食べたいて言うとったから残念がるやろなぁ。」 ひおきさんは安価な素泊まり料金に比べて食事代が高く思えて「どんなとこやろ」と心配もありましたが、泊まってみるととてもキレイな宿で、逆に素泊まり料金が格安なんだと納得。 食事はおいしくて、特に飛騨牛の陶板焼きはごはん何杯でもイケます。 素泊まりはもったいない宿で、お勧めです。

今年の宿「山の宿 ひおき」さんも最高でした。

(2日目 川浦渓谷)

二日目の川浦渓谷は海ノ溝洞の本流にあたる板取川の途中で、キャンプ場近くの下降路を降り入渓。

海ノ溝洞と川浦渓谷

入渓地点。 昨日と同じく朝は少し雨が降ってました。

いきなり長い泳ぎの連続でスタートから疲労困憊

水量が少なくて穏やかなんですが、それでも流れに逆らって長く泳ぐのはしんどい。 すぐに泳ぎはお腹一杯に。 フローティングジャケット持ってくればよかった。 しばらくして海ノ溝洞出会いに到着。

本流(川浦渓谷)から海ノ溝洞の入り口を見る

海ノ溝洞を過ぎると少し先に2mほどの滝ながら懸垂下降で小巻するポイントへ。 残置スリングとカラビナがあるのですが、真下ではなく右のバンドを目指した斜め懸垂になり、岩がヌルヌルで少しコワい。

右斜めに懸垂下降中のkamaco 「今までで一番怖い懸垂やった。」、「ン?」

期待に応えるオトコ、大ちゃんはぬめった岩場にラバーソールが滑って真下にブラーン。 そのまま着水。 滝の下に回り込んむ水流を利用して滝に近づき、スリングで引っ張り上げました。 前日の海ノ溝洞もこの日の川浦渓谷もソールはフェルトが良い様です。

タワシで磨いて足場を作り、スリングで登る大ちゃん

この滝の上に大きな穴があり、しばらく登って飛び込み大会。

しばらく遊んだ後で、本日のメイン「70mの廊下」に突入。 元気なyassunはガンガン泳ぎ続けてはるか先。 次のhassyからも大きく遅れて、kamacoとyoyuは両岸ツルツルで手掛かりが少ない廊下で泳ぎ続けて疲労困憊。 40mくらいのところに立てる岩があったんですが、そこまで到達するのに必死。 力を抜くと沈んで溺れそうという感覚を久しぶりに味わう。 もっともkamacoは背面泳ぎで足ひれをバタつかせる大ちゃんの姿が余程可笑しかったのか、笑い疲れて溺れそうになってました。 泳ぎに不安のあるメンバーがいるならフローティングジャケットは必携です。

70mの長い廊下を必死に泳ぐ。

長い廊下を終えて振り返る。 後続のパーティの姿も見える。

ここの滝の小巻きも少し怖い箇所があったものの、そこを通過後は難しい箇所無し。 道路へ登るルートを探しながら少し足を延ばしたら左岸に登れそうな雰囲気。 hassyが先行して登ってみたら「イケそう。」とのことで全員脱渓。 ちょうど前日に駐車した公衆トイレの場所でした。 まだ10時台半ばでしたが、短時間で渓谷のエッセンスが楽しめて満足。

帰りの昼食に鮎雑炊定食

3人は岐阜県なので(?) みそかつ定食

最高に楽しかったです。 メンバーの皆さんありがとう。 全行程運転してくれたhassyお疲れさまでした。

(完)

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